紅の系譜

美樹ちゃんの困った顔をみて笑っていると、放送が入った。


「―2年A組、成瀬川紅葉さん。至急、理事長室までおいでください。成瀬川紅葉さん、至急理事長室まで・・」


私のことを呼んでる?理事長室って、いったいどんな用事なのか、見当もつかない。
「あれ、紅葉なんかやらかした?」


美樹ちゃんがイタズラっぽくからかってくる。


「そんなわけないでしょ、とりあえず、理事長室とやらにすぐ行ってくる。」


昇と話したいこともあったけれど、とりあえずこっちが先決っぽい。