学園(吟)

「言うようになったな」

表情からは感情が読み取りにくい。

それでも、嬉しげな感じであるのは、伝わってくる。

酒を飲んでるから、赤みがかっていると思ったがそうではないらしい。

先ほどよりも目がしっかりしているところ、すでにアルコールは抜けている。

今、表現のしようがないくらい可愛く見える。

客観的に見る事が出来ていないのかもしれない。

でも、自慢出来るくらいだ。

見た事のない吟ネエを見ているだけでも、胸がいっぱいになってくる。

「俺、感動してるよ」

「そうか」

吟ネエも人間だ。

恥ずかしいという気持ちはあってもおかしくはないのだが、どうなのだろう。

あまり考えていて、モタモタしているのもどうかと思うな。

せっかく、服を着てもらったのだから、俺がやらなくちゃ始まらない。

シャツを一枚、脱がせる。

吟ネエの裸は見慣れた物なのに、脱がせるだけで胸が高鳴る。

血液が下の方へと流れていくようだ。

予想外に、女の子らしい花柄のついた赤の下着が姿を見せている。

何だろう。

今まで下着という当たり前の物を飛び越えていたから、新鮮味がある。

言っている事は、おかしかったりするんだけれどな。

よく動くし、スポーツブラかと思っていたのは、勘違いだったようだ。

「似合ってるね」

「ち、こんなのは序の口だ」

多分、勝負下着ではない事に、吟ネエは納得していないようだ。