学園(吟)

吟ネエが傍にいたという事は、一緒にコーラを飲んでいた。

どこで?という事になる。

子供の事だから、遠くにはいけない。

そういえば、近所には駄菓子屋があって、購入した事があるような。

関連付けてると、段々思い出してきた。

でも、代わりに頭にモヤがかかるように、ボーっとしてきた。

長く風呂の中に入りすぎたのだろうか。

吟ネエはいたって変わりのない顔をしているというのに。

すぐに嫌気がさすものかと思いきや、忍耐強さもあるってか。

「って、何やってんの?」

「うーん、上に血が上ってるせいか、下はてごわいアルなあ」

何を考えていたかというよりは、俺の隙を狙っていたと見て良いのか。

俺のイチモツをいじっているようだ。

「あのさ、逆上せたのなら、ちょっとは気遣うとか、ないのか?」

「アチシは逆境にも耐えうる女アル!」

「そんなの聞いてねえ!って、やべ」

頭がクラつく。

「駄目だ、出よ」

急に立ち上がって風呂から抜け出たせいか、見事に足をふら付かせ扉を開けたところで倒れる。

「やべえ、たてねえ」

立とうものなら、再び倒れる事は間違いない。

「はあ、くそお」

段々、気も遠くなる。

後ちょっとで思い出せた事が、なくなってしまうのか。

それだけは御免だ。

吟ネエの思い出だけは、絶対に、思い出す。