学園(吟)

俺は考える。

小さい頃の吟ネエの事を。

俺と別れる前までの事を。

コーラのバッジを俺が渡した事になっていた。

記憶をさかのぼる。

記憶喪失じゃあるまいし、赤ん坊の頃でもない。

思い出すことは可能だ。

しかし、前回は思い出すことは出来なかった。

だから、ゆっくり出来る時に思い出すんだ。

目の前には、大好きな吟ネエがいる。

何をしているわけでもなく、俺を見つめている。

珍しく、何かを要求したりはしない。

ただ、考える俺を見て、考えている。

何を考えているかは後回しにする。

大したことではないと侮ってはいないが、今は答えを出したい。

関連付けを上手くする事が出来たのなら、思いだせるはずだ。

コーラのバッジだったよな。

小さい頃にバッジ集めに走った頃はなかった。

だから、落ちてる物まで拾う事はない。

オマケで考える事が妥当だろう。

オマケという事はコーラ関係である事は確かだ。

小さい頃にコーラを買うのは一苦労だ。

だって、子供のお小遣いにしては高いからだ。

しかし、どうしても飲みたくなる事だってあるはずだ。

だって、コーラだぜ?

コーラといえば、甘くて美味しいからな。

どうでもいい解説はいいのだが、思い出すには必要なんだよな。

子供の頃は物を失くした事が多かったせいか、その場で上げたと考えてもいいんではないだろうか。

その場で上げたという事は、吟ネエは傍にいたはずだ。