学園(吟)

風呂の中に入っていると、吟ネエが入ってくる。

裸を見慣れているとはいえ、恥ずかしい部分は抜けない。

「吟ネエ、一人で入りたいとは思わないの?」

「肌の温もりは重要アル」

お湯の中なんだから、肌の温もりも何もあったものじゃないと思うのだがな。

当たり前の話だが、吟ネエが風呂の中に入ると、少しバスタブが狭くなる。

「ふう、いい湯アル」

「そうだな」

学校をサボって風呂に入るというのは問題だが、今は気にせず行こう。

二回目ともなると最初のような焦りはない。

しかし、いつ見ても肌が綺麗だよな。

お手入れしているようにも見えないし、深夜に起きてる事が多そうなのに、維持できてるのは凄いな。

若さがあるからだろうか。

「ふっふっふ、私の肌は数百人の男のせい」

「解った解った。答えを聞きたかったわけじゃないんだ」

「むう、ワラワに答えを言わせぬとは、ひどい奴じゃ」

龍姫のモノマネをするのがマイブームなのかもしれないな。

「はあ、でも、吟ネエが耕一さんと殴り合いをする事になるとは思わなかったよ」

「お前は何も知らないアルな」

「ええ?」

「アチシを調教したのは耕一アル」

「また嫌な言い方をするな」

きっと喧嘩が強くなったのは耕一さんのおかげだと言いたいのだろう。

確かに、あの拳を見ていたら、強くなるのも解る。