学園(吟)

ロベリアをどうするべきか。

渚さんなら、飼うのはいいと言ってくれそうだ。

でも、耕一さんはどうだろう。

猫アレルギーを持って居そうで怖いところだ。

黒猫は不吉の象徴とどこかで囁かれていたが、目の前にいるロベリアが嫌な事をもたらすなんて考えられない。

「うーん、頼んでみるか」

隠して飼う事のほうがよっぽど悪い。

「お前はそんなに雌猫が好きアルか。は!ここ最近のお前の性に対してのストイック差、まさか、獣姦にしか興味がないアルか?」

「んなわけあるかい!さすがに、種別間を踏み越える勇気はないよ」

俺はロベリアを抱きながら立ち上がると、足がふら付く。

でも、時間も経ってるし、立てないくらいではなさそうだ。

「先に渚さんを説得してみよう。吟ネエ、渚さんを呼んできてくれないか?」

家には二人がいるから、味方は多いほうがいい。

吟ネエはロベリアの肉球で遊んでいる。

ちなみに、肉球の正式名称は蹠球(しょきゅう)らしい。

ロベリアは外で暮らしている事のほうが多いから、分厚いんだろうな。

「プニプニアルー」

「ニャー」

何か、二人でコンタクトを取っているようにも思える。

「吟ネエ、気持ちいいのは解ったから、渚さんを呼んできてくれないか?」

「お前は可愛い奴アルなあ」

駄目だ。

吟ネエがロベリアに夢中な以上、行動には出ないだろう。

「ロベリア、お願いする」

吟ネエにロベリアを渡して、渚さんを呼びに行く。