学園(吟)

「つまらん奴アル」

「公共の場だからさ。と、さっきのは後にして、そろそろ出よう」

あまりに店の中で色々な事をしすぎたので、店員と他の客の目線が厳しくなっているのは事実。

会計を済ますためにレジに行くと、俺達に憑り付いているのかと思う程に金髪店員がいる。

「お会計が治療費込みで、ぎゃ!」

「涙」

茶髪店員とのやり取りを見るのは何度目だろうか。

もはや、二の句を継げない状態である。

そろそろ、自分の失態を次に活かそうという学習能力を身に着けないと、本当にクビになるぞ。

むしろ、チョークスリーパーをかけられている首が折れるぞ。

「すみません、お客様。お会計、1500円頂戴致します」

吟ネエが諭吉さんを手渡し、お釣りをもらって、中華飯店から出る事となった。

次に来た時には金髪店員の棺桶が床に転がっている事だろう。

「うーん、何か、凄く長い間、店の中にいたような気がするな」

それこそ、半年くらいは監禁されていたような気分である。

そういえば、まだ学校が終わっていない。

「吟ネエ、ありがとう。これから学校に戻るんだろ?」

「家で宴会アル」

明らかに本気の目だ。

すでに、我慢の限界まで達しているのだろうか。

しかし、家で一人で宴会っていうのも、寂しさを感じてしまうぞ。

「アチシの胃袋がお酒を欲しがってるアル!」

色々と途中の事が多いだけに、吟ネエから離れるのは抵抗感が大きい。

学校で学ぶ事はとても大切な事ではある。

だが、時として、もっと大切な事もあるという事。

まあ、ズルして早退するので、何かを言ったところで説得力は無いのが現実である。

「解った。家に帰ろう」