学園(吟)

「餃子の数が少ないんだが?」

見ると6個なければいけない餃子が4つしかない。

「何言ってるんですかあ?ここの餃子は4つと決まってるですう」

メニューには6個だと書かれてあった。

しかも、金髪店員の口の周りは少し油っぽくなっている。

「少し待ってろ」

「る、涙はお仕事しなくちゃいけないんですう」

「なあに、確認するだけだからすぐ済むさ。あ、店員さーん」

周りを歩いていた茶髪店員さんが、こちらに歩いてくる。

それに比例してか、どんどん逃げる力が強くなっている。

まあ、逃げても後で怒られるんだから、同じ事だ。

「はい」

「ここの餃子って、6個ですよね?」

「はい」

「4個しかないんですけど」

「本当ですか!?」

驚きながら確認している。

「申し訳ございません。只今、新しいものをお持ちします」

茶髪店員が金髪店員に睨みを効かせている。

「あ、早退させてもらうですう」

「涙、ちょっとこっちに来るんさ」

俺は無言で茶髪店員さんに金髪店員を引き渡す。

「う、裏切り者ですう。弱者を助けるのが、お仕事じゃないですかあ」

「断罪されて来い」

金髪店員が連れ去られた後、俺はチャーハンを食べるために正面を向いた。

「こ、コーラが無色になってる!」

コップの中には黒くて泡立ってるはずの飲み物が、氷しか見えない飲み物へと変化している。

更にいえば、俺の皿のチャーハンが半分に分割されており、半分は消えうせていた。

「チャーハンは一皿半に限るアル」

一体、どこの相場なのだろうか。