学園(吟)

嫌がらせにならない自滅行為は数日間続く。

例えば、体操服がなくなったりしたが、犯人のを強奪し事なきを得たとかな。

しかし、犯人達が一番やってはならない事をした日がある。

それは、密かに学校で楽しもうとしていた酒瓶を隠した事だ。

その時、吟ネエの静かなる狼が咆哮を上げて目覚める。

狼の嗅覚は恐ろしく、感覚で数名の犯人を当て、問答無用で制服を剥ぎ取って体育倉庫で正座をさせた。

「吐かなければ、お前達と男子で野球拳アル」

下着一枚では圧倒的不利なのだが、吟ネエには関係なかった。

それでも負けじと咬み付く犯人の一人がいたのだが、吟ネエは容赦がない。

本当に男子を連れてきたのだった。

「じゃ、今から野球拳開催アル」

他の犯人達は、震え上がるほどに屈辱を受ける。

犯人の一人のせいで自分達が危機に瀕しているわけで、他数名は憎しみを犯人の一人に向けていた。

最終的には懇願するように、酒の在り処をゲロしたわけだ。

野球拳をしたかどうかは知らない。

でも、咬みついた女生徒がまたやらかしたんだ。

チーマーを数人呼んで、下校している吟ネエを取り囲んで拉致しようとした。

だが、偶然通りかかった龍先輩と後ろに控えていた乾がチーマーを粉砕骨折にまで追い込む。

病院に行く事無く龍先輩の説教を1時間聞かされることになり、チーマーはトラウマを負った。

今話したのは、あくまで噂でしかない。

でも、吟ネエに対して、嫌がらせをしようとする人間はいない。

何をしても自分が恐ろしい目に合うからである。

女生徒の彼氏が吟ネエとやったとしても、文句を言えるわけがなかった。

ただし、吟ネエは自分勝手な暴君を極めているわけではない。

自分から誰かをいじめたりしないし、一人で居る事が多いからだ。