学園(吟)

吟ネエは家事をこなしていた。

髪を結いながら、料理を作っている。

スパイスの効いた匂いからして、カレーと断定できるだろう。

「おいしそうだな」

「ふっふっふ、アチシのカレーには特別な愛液が混ざってるアル」

「このカレー、夕乃も食べるんだけど」

吟ネエの作る料理は、以前よりも数段にレベルアップしていた。

面倒とはいえ、研究はかかさないからだろう。

勉強嫌いが研究というのも可笑しな話ではある。

カレーに入っている愛液が何であるのかは、謎だ。

三人でカレーを食した後に、ケーキを取り出した。

「お前、中々出来るやつアル」

「その言葉は、今更過ぎるような感じが否めないんだがな」

夕乃がケーキを食べるのを見ているだけで幸せだった。

しばらくして眠くなったのだろう、吟ネエが歯磨きをさせてベッドへと連れて行った。

戻ってくると、服装がチェンジしている。

「えーっと」

この前、巫女服が見たいといっていたのは確かである。

行動が早すぎる。

巫女服で俺の前に座り、ケーキの隣にお酒を置く。

「かしこみーアル、かしこみーアル」

何を謹んで申し上げるというのか。

本来の漢字で言うと『恐み恐みも白す』である。