学園(吟)

俺は吟ネエに携帯を返した。

「俺達の間に必要なのは、信頼と安定だろ?例え吟ネエが悪だとしても、俺は吟ネエを信頼する」

そこで、夕乃の事が問題になってくる。

母親が有名になるという事は夕乃に危害が加わる可能性があるという事だ。

今はPCなどが普及してるし、情報が出回る確率は高い。

レンタルでは人気が高いしな。

しかし、母親がAVに出てたらどうよ?

小学校に通い初めて、同級生からいじめに合う可能性もあったりするんだ。

吟ネエのような性格ならまだしも、夕乃にその特質が受け継がれるかといわれれば、解らないんだ。

学校外なら、両親である俺達が守る。

学校内では、全ての様子を見れるわけじゃない。

誰かが守ってくれるのならいいんだがな。

「吟ネエ、夕乃には内緒だ。絶対だぞ?」

「しょうがないアルな」

借りてる俺が言う台詞でもないんだけどな。

最低限できる防御策はとっておくべきだ。

このAVパッケージだけは見せられないな。

夕乃にどんな影響が出るか解らない。

「夕乃は?」

「家で寝てるアルよ」

「そうか」

見るなら今しかないわけだ。

俺達はマンションに戻る。

俺は一人で吟ネエに痴態を確認しようかと思っていた。

しかし、吟ネエは俺の隣に座る。

「アチシが解説してやるアル」

俺の気持ちをどん底に叩き込むつもりなのだろうか。