学園(吟)

「お前は本当に、しつこい奴アル」

「いいさ。どこまでも纏わりついてやる」

今のは、ストーカー宣言をしたようなものである。

「じゃ、今からたっぷりと頑張ってもらうアルか」

「えーっと、今さっき同じスポーツをしてきたところなんだけど」

「お前はアチシを喜ばせたい気持ちで一杯アル。気持ちだけじゃ証明にならないアルよ」

今の状態でやったら、俺は生死を彷徨うかもしれない。

しかし、ここで逃げ出したら、自分の言った事は嘘になってしまう。

「分かった」

やるしかない。

吟ネエとの生活を考えるには、これくらいの事は平然とやってのけなければならないのだ。

そう、自分と吟ネエの繋ぐための必要な行為だ。

彼氏と彼女になったから終わりではない。

夫と妻になったから終わりではない。

全てが始まりに過ぎないのである。

日常生活にある会話だけでは収まりきらない物がある。

それは、本能の中に含まれた欲求の一つであり『性欲』だ。

性欲という枷がある限り、切り離す事は出来ない。

性行為をあまりしなくていいという人もいるかもしれない。

しかし、吟ネエには絶対に必要な行為なのである。

そこに終わりはない。

死ぬまで繋ぎとめるために、俺は吟ネエと床を共にする。

サキュバスのような性欲を持った吟ネエ相手なら、早死にするかもしれないけどな。