学園(吟)

「吟ネエ」

俺の時間が止まった。

確かに、何かしらの出来事が目前で起こっている。

その何かしらが問題なのだが。

いや、問題というほど大それた物ではない。

「何やってんだよ」

「アチシの性欲が!アチシの性欲が爆発するアル!」

そう言いながら、自分に亀甲縛りをかけて絨毯の上を転がっている。

激しく動いたために肌に縄が食い込んでおり、紅くなっている。

そして、動き続けたせいか、汗ばんでいる。

艶っぽさが美しさを際立たせている。

「酒ならちょっとしたら届くから、我慢してよ」

縄を解こうとするが、きつくなっている。

「吟ネエ、これ、取れないよ」

「構わんアル」

「いやいや、痕が残るって」

力任せにやっても、無駄な事を理解した。

しかし、縄を弄ってる時に、喘ぎ声を上げるのは止めてもらいたいところだ。

こっちまで、吟ネエの気分に引っ張られるじゃないか。

昨日も散々相手をさせられたというのに、下半身が活気に溢れてくる。

不思議だ。

やっぱり、吟ネエだからなのだろうか。

飽きないという点でいえば、吟ネエは最高といえるかもしれない。

様々な角度からの襲撃と技術。

色んな男を体験しているからこそ、会得した技ともいえよう。

考えるだけで、少し暗くなってしまうところではあるがな。

「何を手を止めてるアルか。もっと縄を動かすアル!」

「吟ネエって、エムの要素もあったのね」

「チッチッチ、エス成分が多いからといって、エム成分がゼロというのはお門違いアル!さあ!アチシを喜ばせるアル!」

何か、おかしな方向にいっているが、これで吟ネエが落ち着くというのなら、付き合うのも悪くないだろう。