学園(吟)

吟ネエの教室前に辿り着くが、ホームルームが終わってないらしい。

廊下の窓から外を眺めていると、生徒達の下校姿がチラホラ見える。

「平和だな」

吟ネエや耕一さんから殴られたり、後輩が勝ち誇ったり、恋敵が現れるかと思いきやどうでもいい人物だったりと、色々あった。

もう一つ、問題はあるけどな。

考え始めたところで吟ネエのクラスが教室から出てくる。

吟ネエと龍先輩も鞄を持って、教室から出てきた。

「そなた、吟の事を待っておったのか」

「まあね」

「ほんに、吟は羨ましい奴じゃな」

「え?」

「何でもない。ほれ、アキラ、帰るぞ」

丁度、教室から出てきた笹原先輩を捕まえる。

「え?え?これから、遊びに行くんじゃ」

「そなたは家で勉強じゃ」

「えええええ!?聞いてないよお」

引きずられるように、帰っていった。

「うーん、悪い事したかな」

「カマンゾ」

吟ネエは欠伸をしながら、どうでもよさそうな顔をしていた。

久々に朝早くから起きたせいかもしれない。

「じゃあ、帰ろうか」

「んー、今日は梓のところに寄るアル」

「何か買うの?」

「新発売のお酒が置かれてるアル」

「飲んじゃ不味いんじゃないのか?」

「ちょこっとならいいアル。それとも、アチシの全ての楽しみを奪うつもりアルか?」

「いや、そういうわけじゃないけどさ。じゃあ、行こうか」

自然と、吟ネエの手をとり歩き始める。