学園(吟)

俺と吟ネエは教室に戻り、授業を受ける。

しっかりするところはしておかなければならない。

そういえば、最近、吟ネエは酒を極端に減らしたみたいだ。

飲みすぎると母胎に影響が出るらしいからな。

ちゃんと考えてるんだよな。

「ふう、どうなる事やら」

「何がどうなる事やらだって?」

俺の傍には高井教師が立っている。

「この先の事を考えると憂鬱で」

「憂鬱になるのはいいけどよ、未来の事よりも今の事を考えろ」

「はあ、先生のところは、お子さんはいないんですか?」

「お前、何を考えているんだ?」

「すいません」

「まあ、いい。ちゃんと授業は受けておけ。必ずしも使う事ではないにしろ、意味はある。ないがしろにすれば、意味すら気付けずに終わる。意味を見つけ出す事に従事すりゃ、少しは楽しくなるかもよ」

高井教師は、止めていた授業を再開した。

意味か。

子供が生まれてくる事にも意味があるのかもしれない。

命を授けられた事の意味。

成長してから、気付くんだろうな。

今の俺にも、意味はある。

実感はしていないにしろ、親として、子供を育てるために今の俺がいる。

それが意味だ。

集中は出来ないものの、授業の内容をノートに写し続ける。

提出物として出さなくちゃならない時もあるしな。

最後に、今回の授業の内容で軽い抜き打ちテストをやらされ、結果は散々な事になった。

次のテストまでに何とか汚名返上するしかないようだ。