学園(吟)

「吟ネエ、この事は渚さんには?」

耕一さんは再び出て行って、当分は帰ってこない。

「言ったアル」

「何て?」

「私と一緒ですね」

「え?」

「渚も私と同じ状態アルよ」

「マジ、かよ」

じゃあ、三ヶ月前に盛んにやっていた行為が実ったという事か。

恐ろしいくらいに採取されていたもんな。

親子揃って妊娠なんて、珍しいことこの上ないな。

約七ヶ月後には、慌しくなりそうな予感がする。

「えーっと、どうしよう」

「お前の親にも言っておけアル」

渚さんは許してくれたとしても、俺の親がどうなのかが解らない。

学生で子供が出来るという事は一大事だ。

安易に考えてなかったにしろ、親がどう出るかだな。

息子をほったらかしにするような親だしなあ。

何となく、結果が解るような気がする。

「はあ」

今、焦っても仕方がない。

冷静に対処していく事が、大事だ。

「でも、そうか。俺と吟ネエの子が、いるのか」

吟ネエのお腹に触る。

「人間の神秘だなあ」

「しっかりとお前に注ぎ込まれたからな」

何か俺が作らせたというような言い方に聞こえてくる。

子供を作る事には、同意したんだけどさ。