学園(吟)

「どこ行ったんだろう」

走って色々なところを探し回るものの、見つからない。

屋上に向ってみると、入り口の建物の上で寝ている。

「はあ、はあ、吟ネエ」

「んー、お前アルか」

傍にはロベリアが眠っている。

ロベリアは家で飼っているのだが、吟ネエに付いて周る事が多い。

本当に、吟ネエの事が好きなんだなと思う。

「やっと見つけた」

「どうしたアルか?」

最近、気だるげな感じが増しているような気がする。

「早く出て行ったから、どうしたのかなと思って」

「赤城に呼び出されたアル」

「な、何だって!」

「んー?そんなに驚くような事アルか?」

「い、いや、だって、今まで現れなかったんだぞ」

やっぱり、吟ネエを狙っていたんじゃないか。

「お前が気付かなかっただけアル」

「ま、まさか、連絡取ってたの?」

「そうアルな」

「そうか」

吟ネエにしても、わざわざ言う事ではないと判断したんだろう。

「体の関係は」

以前よりも、独占欲が現れてきている。

「知り合いアルか?」

「うーん、知りたいような知りたくないような」

「ガンガンお前で発散していたのに、他にする暇はないアル」

「そうなのか」

吟ネエは、俺に何かを投げる。

落としそうになったが、紙一重でキャッチ。