赤城が、いきなり出てくるなどという事はなく、三ヶ月程度、平凡な日々を送る。

赤城という存在は何だったのか。

出てこないのなら出てこないで、ありがたいところではあるけどな。

吟ネエは、相変わらずだ。

他の男に手を出すような事は、最近なくなった。

その分、連続連夜の奉仕のおかげで、死ぬかもしれない。

今日も、げっそりしながら登校中だ。

吟ネエは珍しく、先に学校に向っている。

何かあるのか。

「何じゃ、そなた、幽霊みたいな顔をしおってからに」

「龍先輩」

吟ネエの事につきっきりで、龍先輩を見たのは久々のような気がする。

「姫ちゃんと呼べといっておろう。それよりも、栄養はちゃんととっているのか?」

「え、ええ、まあ」

栄養はとっているけれど、栄養以上の物を奪い取られているんだよな。

「吟との調子はどうじゃ?」

「え?」

「言わずとも、解っておる。吟も最近少し変わったからのう」

「解るんですか?」

「長い付き合いじゃからな」

俺も何となく、丸くなったようには思える。

「そういえば、龍先輩と吟ネエっていつから、友達なんです?」

「中学からじゃ」

「そりゃ長いですね」

俺よりも長いかもしれないな。

「あやつは中学の頃から、先日までは全く変わらぬ女じゃった」

生まれた頃からだけどな。

「そうかあ」

学校に辿り着くと龍先輩と分かれ、吟ネエを探す事にした。