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 「「「「俊広さんッ、
 おはようございます!」」」」

お店に入ると、20人くらい
いた男の人たちが、一斉に俊広
さんにあいさつした。


うわ…っ、チャラそー。

茶髪に口ピの男、短い金髪の男
ロン毛の男…

“俺はホストです”って、
アピールしてるような見た目
の人ばっかりだ。


 「俊広さぁん、
 その子だれなんスか?」

目の前にいた、ウェーブの
かかった栗色の髪の人が、
あたしを指差し、言った。

 「あぁ。
 こいつは新人の夏輝」

俊広さんは、あたしの両肩に
手を置いて言った。

 「波瑠奈の、い…弟だ」

 「「「「へぇ…っ、
 波瑠奈さんの弟なんスかあ!」」」」

ざわざわとなるホストたち。


 「でもさぁ」

さっきの栗色ヘアの人が、
笑いながら言った。

 「波瑠奈さんより、この…
 夏輝くんの方が、よっぽど
 かわいいスよね。

 夏輝くんの方がダントツ
 女の子って感じ」