体操服への着替えが終わると、私たちは教室を出た。



「うわ〜ついに来ちゃいましたよ!体育…」



さっきからそわそわしてしょうがない私は隣を歩く優さんに声をかける。



そんな私に優さんはニッと笑った。



「大丈夫だって。あたしもフォローするから。次バスケでしょ?得意なんだぁ、バスケ。結構好きだし」



そう言えば一年の時、優さんはバスケ部に入ってたと聞いた事がある。



すごく上手かったようで、一年でも一人だけレギュラーだったって…



でもなぜか急に辞めてしまったらしい。



理由はやっぱり家の事なのかな…



そう思うと自然と表情が固くなってしまった。



「そう落ち込むなって。大丈夫だから」



優さんはそう言ってニカッと笑った。



すごく強い人だなぁ。色んな意味で。



私はまた優さんを尊敬してしまった。