「尾行は遠慮しときますが私も一応、柊さんの口調とかをよく見ておきますね」



「了解!私も千夏ちゃんをよく見ておくよ♪
あっ千夏ちゃんて仲良い子とかいるかな?
私はいないから大丈夫だけど」



あはは…



全然いないです〜!



「大丈夫ですよ。いませんから…」



ん?
でも――



「柊さんてなんでいないんですか?
すごく性格明るくて友達いっぱいいそうなのに…」



すると柊さんはにこっと笑った。



「あたし、時々ヤンキーだったときのくせで凶暴になるんだよね〜
だからかな?友達いないの」



な、なるほど…



「でも…」



柊さんが急に
悲しそうな顔をして笑った。



「友達、ほしいんだ…。
小学校の時もアレてて友達いなかったから」



あははと乾いた笑いをする。



いけない事を聞いちゃったかな。



柊さんも私と同じような事を
思ってるんだなぁ。



性格は全然違うけどなんか私と似てる気がした。



私もなにか柊さんのためにしてあげたい。



そう思った。



「あの…柊さん!」



私は力のこもった声で呼ぶ。



柊さんが不思議そうに
「どうしたの?千夏ちゃん」
と笑いながら言う。



すると私はキッと前を見据えて強い口調で言った。



「私でよければ友達になりませんか?!」



い、言っちゃった…



私は言った後で顔を真っ赤にした。



すると柊さんは一度、驚いたような顔をした。



でもしばらくしてすごく温かみのある笑顔になると私に向き直って言った。



「千夏ちゃん、ありがとう」



私はその言葉でさらにカァーっと顔を赤くした。



そんな私たちを見ながら薫さんが嬉しそうに微笑んだ。