「お嬢ちゃん、お兄さん達とこれから一緒に来てくれや。そうしたらさっきのも許してあげるさ」



にやにや薄気味悪い笑みをしながらゴリラが言った。



さっきの態度とは大違い。



第一こんな厳つい顔の人と何でどっか行かなきゃならないの?



瑠璃の心はもうあのお方のものよ!



「遠慮しとくわ。それに瑠璃、悪い事なんかしてないもん」



ふいっと顔を背けて立ち去ろうとした。



こんなアホの奴らは無視よ、無視。



「おいコラァ!」



後ろでタコイカの声がした。



「お前何か勘違いしてないか?お前のせいで兄貴の腹が潰れてたらどうしてくれるんや!」



怒鳴るような声に周りの通行人達はちらちらこちらを見ている。