あじゃあじゃラブリー

洗濯物を片付け、部屋の模様替えに必要な小物を買いがてら あいつが出演する

テレビ局へと向かう。

おそる おそる 受付に携帯を出した。

「あの・・・これ・・・大出 旬さんの・・・」

「ああ、携帯ですね。ありがとうございます。」

意外な 受付の言葉に驚いていると 彼女が笑いながら言った。

「大出さんから 携帯が 友達から 届くはずだからって・・・」

「あ・・・・ああ そうだったんですね。それじゃ、確かに届けましたけど。」

「あっ・・・お待ちください。」

そういうと 受付が なにやら電話で話をしている。

「今 出待ちなので 来るそうです。」

「ああ、いいのに。」

「直接 ご本人に渡してください。」

「私も忙しいから・・・」

受付とそんなやり取りをしている背後で声がした。

「なにも そんなに あわてて帰る事ないでしょ?」

「あっ・・・・」

 テレビ局で会うと これまた 一味違うわ・・・・ちゃんと俳優さんに見えるから
 不思議だわね。

「サンキュ~。」

呆然としている 私の手から あいつが携帯を受け取った。

「い・・・いえいえ。どういたしまして・・・・」

まずい・・・完璧 空気に呑まれちゃってるよ。

受付の娘が あいつをからかうようにたずねた。

「大出さん ガールフレンドですか?」

「だったら 週刊誌にでも ネタ売りする??高く売れるよ。」

余裕なのか 冗談なのか・・・こちらが焦るようなコメントしやがってぇ~~~

「おい!!勝手に彼女にするな!!」思わずそんな言葉が口を突いて出た。