【まっ・・・最初で最後なら いっか・・・・こいつが 言うように ドラマが
 当たれば 私にとっても いい思い出になるしね・・・・】

「これっきりだからね!!」

私は あいつと 最後のつもりで 夕飯を食べに出かけた。



強引に誘うわけだ・・・・


あいつが予約してあったのは・・・・


私なんて1度も入った事のないような 豪華なイタリアン・・・・


周囲の空気からして違うし・・・・場違いだよ・・・・おい・・・・


席に案内される・・・


完璧 雰囲気に呑まれて硬くなってる私を見てあいつが笑った。

「な・・・・なにが おかしい。」

「ふ・・・だって・・・さっき グルメだって言ってたのに・・・・」

「グ・・・グルメよ・・・・」

「じゃぁ・・・ここの店のお勧めをたのんでください・・・・俺も 初めてなんで。」

【・・・って・・おい!!俺もはじめてなんでって・・・・】

品のよそそうな ウエィターが これまた 読んでも理解しがたい カタカナと

英語?ローマ字交じりの文字が並んだメニューを差し出した・・・


な・・・なに???カタカナは読めても どんな料理かわからん・・・・

えっ・・・・・ちょ・・・・・ちょっと・・・・この値段なに・・・・


一 十 百 千 万・・・・って・・・・えっ????万???って・・・・


料理の名前とプライスで完璧やられてる 私を尻目に あいつが スマートに

オーダーをこなした・・・・・

その 姿が少し さまになっていて かっこよかった・・・・・

メニューのかどっこから あいつを覗いていた私を見て彼が笑った。

「どうします?」

「あ・・・私も 同じもので・・・・」

精一杯 気取ってあいつにあわせた私を見て あいつが笑いをこらえてうつむいた。