「まだいたの?」

「そうだよ。」

「なんで?」

「私のバージンな血液あげたんだよ。邪険にするな」

「バージンな血液って・・・・オリーブオイルじゃあるまいし・・・・

 ついでに あっちも バージンなの? 浅香 由真さん。」

【えっ???空耳??じゃ無きゃ・・・今 あたしの名前言わなかった?】

「な・・・なんで・・・・」

「だって・・・居酒屋で吼えていたじゃん。」

【ま・・・まさか 私が バージンだって????】

「・・ま・・・・まさか・・・・」

「まさか なんですか?」

「記憶障害じゃ・・・・」

「誰がですか?」

こ・・・・このやろう 人のことおちょくりやがって・・・・・ワナワナ・・・

少々 怒りで こぶしがプルプルした。

「周囲で勝手に記憶障害にしたんでしょ?」

「あのね!!」

「怒りましたね。 テレビドラマのつまらない 脚本だったりすると
 ヒロインは 彼の事 睨み付けて黙って出て行くか・・・勝手にしろと
 言わんばかりに吼えて 出て行くパターンが多いんですが・・・・
 どちらがお好みですか?」

「あいにく その手のドラマは あまり見ないんでね!!私が ヒロインなら
 こうさせてもらうわ!!」


私は 奴の頬を 平手で1発殴った。

「好きなように くたばれ!!」

そう 捨て台詞を吐くと 保険証を持っていることなどすっかり忘れて
あいつの病室を後にした。