「テレビ局。今日は 視聴者参加型のバラエティ番組に出演するのよ。」

「えっ? あたしがですか?」

「あはは・・・面白い事言う子ね。違うわよ。旬がよ。」

「じゃ・・・なんで 私が仕事を休んでまで???」

「さぁ~~あの子の考えてる事はわからないわ。 視聴者席の一番いい席に
 連れてきて座らせておいてって。」

【なんだよ・・・・番組見学させるために 私を休ませたんかよ・・・・】

少々 むかっ腹をたてながら 私はマネージャーに指定された席に他の視聴者達と座った。


番組が始まった・・・・その番組は 視聴者が手元にあるスイッチを押して

アンケートや質問にも答えたりする形式を取っていた。

番組が佳境に差し掛かったころ 司会者が 旬に今 一番伝えたいことはありますか?


とふった。


と・・・・あいつが いきなり 真剣な眼差しで周囲にはわからないように

私をちらりと見た。そして 唐突にこう言った。

「そうですね・・・僕に プロポーズされた 人・・・・スイッチをONしてくれませんか?」

【おい・・・・これで 何人もいたら どうすんだよ・・・・・】

周囲がざわつき 一瞬 司会者がフリーズした。

「あ・・・あの・・・ってことは ここに 噂の 大出さんの彼女がいらしている
 ということですか???」

「そうです。」

「あ・・・・あはは・・・何人ボタンが押されるか・・・非常に興味のある所ですが・・・・いいんですか?ボタン押してもらって・・・・」

「いいですよ。一人しかいませんから!!」

あいつが 自信に満ちて応えた。

【いいですよ・・・・一人しかいないって・・・・あ=た・・・私が押さなかったら
 0だよ・・・・0・・・・また 凹むんかい?】

「それでは 押していただきましょう。」

って・・・・・・押しちゃったよ・・・・・

『2』

【えっ・・・・・2って・・・・・】