真っ白なこの世界
はしゃぐ君の少し後ろに僕



手のひらに降った結晶は
あぁ、まるで君のように
春が来れば君は
あぁ、まるで雪のように



すぐに溶けて見えなくなって



どうせ居なくなるのなら
僕の所になんか来ないで


どうせ溶けてしまうなら
輝いてなんかみせないで


春は嫌いさ
霞む視界はあの日と同じ
真っ白なこの世界






【だけど、君に会えて本当に良かった。】





「すごいすごい!白ーい!」
「そりゃそーだよ、雪だもん」
「もう、そればっかりっ」
「そっちこそさっきから…っぷ!」
「…雪合戦、しよっか!」
「宣戦布告より先に攻撃するなっ」






彼女上京後、二度目の春。あの日の真っ白な視界と同じ、花びらの色。彼女のことは信じてるけど、どうにもならない。