申し訳ない気持ちでいっぱいで俯いていると、

背後から声がした。




「あれれれれ?
もしや、そちらが今日入居して来られる方ですかな?」


その声に、振り返ると、クールそうな青年がいた。

外国人っぽく色素の薄い管理人さんとは真逆の、いかにも日本男性といった風貌の、スッキリした顔立ちだった。


はっきり言って、カッコイイ。



「あ、桐生くん
おかえりなさい

こちらが、今日、入居した春日井 理乃さんです」


「あ、春日井 理乃です!!
今日からよろしくお願いします」


私は、慌てて挨拶した。


桐生さんは、眼鏡を中指でくいっと押し上げると、自己紹介した。


「私は、桐生 雪(キリュウ ススグ)と申します
こちらこそ、よろしく」