「そっか。じゃあまたね零汰」 「うんバイバーイ」 そう言ってまた車を走らせる 「なぁ那稚」 「ん?」 「なんで零汰って名前で呼ぶんだ?」 … そっか知らないんだね 「えっとね、血の繋がってない兄だから」 「まじ?」 「うん。それに、最初はあたし、心を開ききらなかったの」 「…」 「それで、お兄ちゃんとか呼べなくて… 精一杯呼んだときには零汰だった」 そう あたしは 零汰が許せなかった 他人のくせに 家族にちやほやされて しかも