俺はその夜 那稚を 優しく 優しく 抱いた 途中 震えて 何度もためらった 目を瞑る那稚は いまにも壊れそうだった 「目 開けろよ」 「っ…美樹」 「俺だよ?那稚 那稚に今触れてるのは俺だよ?」 「うん…あたしの大好きな 美樹だね…」 そう言ってふっと笑った 「那稚? 次はかならず俺がお前を守るから だから…那稚のぜんぶ、俺に頂戴」 「美樹にあたしのすべてを託すよ…そのかわり 美樹の頭の中…あたしでいっぱいにして…」