学校で会っても、修二はいつもの修二であった。あの夜のことは嘘みたい……。









でも、ただひとつ違うのは………。








「じゃあな~、恭子っ!!」







「あ、うん……。」






修二が一人で帰っていくこと。私はさみしげに見える修二の背中を見つめた。









これが修二のため。









私は先生とうまくいかない悲しさを修二で埋めようとしていた。始めはそれで少しどうにかなっていたんだ。だけど…、修二と話してても、修二に抱きしめられても、修二と…キスしてるときも、私の心を縛っているのは、先生。









そのときだった。美香子の気持ちを知ったのは…。私は修二だけじゃない。親友…美香子にもひどいことをしてたんだ―――。










「恭子。」









低めのハスキーな声。すぐに誰が話しかけてきたのかわかったけど、まさか嘘だと思って、ゆっくり…、自分の気持ちを落ち着けながら、声の主のほうを振り返った。