あの男は私に嘘をつく

誰もいない準備室。





すべてあのときのまま残っている。








けれど、その場にいてほしい人が、ここにはいなかった。








やっぱね……。いるわけな………っ!!!!
















「待った???」










「待ったよ。嘘つきがなかなか連絡してこないから、10年も待ったよ。」








「でも、待ってたんだ??」









「……だって、先生うそつきじゃない。」









先生は私の耳元で、かなわないな、とあのときと同じことを囁いた。











先生は私に嘘をついた。








でも、その嘘は甘くて、優しくて、切なくて……。恋の味がした。








これから、何百回も味わうことになるでしょ??







だって、これからだよ、私たちは。







先生の嘘も、私なら愛として、受け止められるから。