あの男は私に嘘をつく

先生がそっと私を包みこんだ。すっぽり入るこの腕のなかは、いつも安心できた。









「俺、恭子にはかなわないな。」









「え??」









「俺、嘘つきだし。」










「??」










「恭子のこと、迎えに行かない。」









「え!!??」








「恭子のこと好きでもない。」







「………」









「だから、待たなくていいよ。」














「………うん。分かったよ。」










私はそっと目を閉じた。