あの男は私に嘘をつく

着いたのはあの数学準備室。









私と先生が初めてキスを交わした場所。








それが妙にリアルで、急に恥ずかしくなった。









「ここなら、たぶん大丈夫だろ。」








そう言いながら、先生はいつものように鍵をかける。これなら、万が一バレても、少し時間が稼げる。







安心した瞬間、涙がこぼれてきた。








ううん、まだまだ安心できない。先生は確実に……クビだ。もう、ここからはいなくなる。










「先生……、ごめん……。」







「なに謝ってんだよ!!俺が悪いんだから、お前が謝んなよ。」







「だって……っ!!!」