あの男は私に嘘をつく

「先生……っ!!」










先生は私を見て、ただにこっとほほ笑むだけだった。








違う……、そんなほほ笑みがほしいんじゃない……。









「先生、あの……っ!!!」








「こらっ!!!橋本っ!!離れなさいっ!!!」







職員室から何人もの先生が出てきて、私たちのもとへ向かってきた。そのとき、先生がぐっと私の腕をつかみ、走りだした。







遠くで先生たちの声が聞こえる。でも、そんなことはどうでもいい。こんなに大変な状況なのに、私の心臓は不謹慎だ。どきどきして、こんな状況を楽しんでるんだもん。そして、嬉しいって思ってるんだもん。