「橋本~、またお前、最下位だぞ。」





「すいませ~ん。」




油ギッシュで加齢臭がするハゲの担任から
成績表をかすめとって、
自分の席までの道を歩く。
途中、修二が、アホだな、て冷やかしてきたけど、
同じぐらいの修二に言われたくないから、
一発蹴ってやったけど。


「じゃあ、今から終業式だから、
みんな廊下に並べよ~。」



クラスみんながしぶしぶ立ち上がる。



はぁ~、かったる。サボろっかなぁ~。



そう思いながら、机にうつぶせていると、
修二が頭を叩いてきた。
さっきの仕返しだったから、
結構痛かった。



「サボんのかよ??」




「ん~、どぉしよっかなぁ。」




修二が私の前の席の椅子を私のほうへ向け、
机に肘をついた。
そして、口を突き出し、タコのような
口を近づけてきて、


「じゃあ、俺とサボってどっか
行っちゃう~??」





「じゃっ、私、式にでるからぁ~。」



修二のキスをかわして、私は一人で
廊下をダラダラ歩いた。
体育館に着いたと同時に、修二が
追いついてきた。
式はもちろんもう始まっている。
訝しげな顔をする教師をしり目に、
修二と一緒に列の最後尾に並ぶ。


「あんたら、2人でナニしてたのかなぁ??」




「えぇ~、美香子ちゃん、そんなこと
恥ずかしくて言えな………。」

「なんもないから。」


修二の悪ノリを遮って、きっぱり言ってやった。