『よかったね!おめでとう!!』

「彼」からメールが来た。
合格がわかったとき、一番に彼にメールを送った。その返信だった。

彼は私立大学に行くことになっていたので、俺より早く進学が決まっていた。


彼と会ったのは高校1年の春。
女の子みたいな男子というものはどこにでもいるもので。
彼はその、一部の層に人気の中性的なキャラクターの隣にいた、目立たないやつだ。

でも、俺は「彼」の方に惹かれた。どうしようもなく惹かれた。
こいつはなんて、やさしく笑うんだ。と思った。


きみはすごくいい顔で笑うね、と話しかけたが、今考えても初対面でそれはどうみても変態だ。
そんな不審者な俺にも、彼は優しく微笑んできた。
アドレス交換をしてしばらくして、付き合ってくださいと言ってくれたので、付き合うことにした。
性別なんて関係なく恋する子だったのか、と少々驚いたが付き合うことにした。好きだったし。

親しい友達と、何が違うのか、2年経った今でもわからない。

おもしろいやつだし、いいやつだから、別れる理由がないので、まだ付き合っている。今は遠距離恋愛だ。


俺は、彼女も彼も好きだ。

彼女には、好きなひとがいるそうだ。
時間をかけて、私は彼女を諦めた。でも、大切なひとであることに変わりはない。
彼女は、きっと、私の、初恋のひとだったから。

俺は、彼が好きだ。
ずっと一緒にいれたら、と思う。
でも、そういう、ことをするときは、何か変な感じだ。嫌なわけじゃない。気持ちよくないわけじゃない。
なにかが違うような。