放課後、体育館で練習してると
「キッズ!」
修ちゃんが500mlのカルピスウォーターを飲みながら近づいて来た
「修ちゃん!
修ちゃんもバスケなの?」
「うん。反対側のコートで練習中」
修ちゃんの指差した方向を見ると3年の男子数人と
――――――――――藤代先生
そっか、修ちゃんの担任って藤代先生だもんね
………あの夜から
一度も藤代先生と話せてない
どうして私は泣いたのか?
どうして先生は「忘れなさい」と言ったのか?
どうして
私は先生の夢を見るの?
私が反対側のコート
3年の男子に混ざって楽しそうにボールをドリブルする先生を見つめた
先生
先生、こっち向いてよ
私を見て
「キッズ?」
―――――――――――ハッ
修ちゃんが眉をしかめて
「何をぼんやり見てるの?」
「ううん!何も見てないよ」
「そっか」
修ちゃんは笑って
「怪我しないように」って私の頭をくしゃくしゃ撫でて
コートに戻って行った



