ふたりでダイニングテーブルに座り
黙々と具を皮で包んでた
「先生」
「ん?」
「ギョーザにしては変わり種ですよね?」
チーズにキムチ、明太子まである
「色々の方が楽しいだろ?」
食べ物に対して楽しいって表現も珍しいな
チラッと先生の顔を盗み見る
かっこいいよね、すごく
45には見えない
せいぜい30代くらいだ
奥さん亡くなってから
長く経つもんね………
部屋を見渡してみるけど
女の人の気配は感じられない
「山本」
急に声をかけられて
ドキッとした
「あんまり
キョロキョロ見るなよ」
少しイジワルな笑顔で先生は私を見た
「ねぇ。先生」
「ん?」
「先生、彼女いないの?」
そう訊いた瞬間
先生の手のギョーザの皮が破けた
「あ、動揺したねぇ?先生」
「山本が急に変な話ふるからだ」
先生は私をにらんだ



