Strawberry on the shortcakes




先生が手をあわせて


「ごちそうさまでした」



空のお弁当箱を袋にしまいながら



「すごく美味しかった、ありがとう」


私に微笑んだ


ドキン、ドキン、ドキン


先生の笑顔に言葉に胸に嬉しさが込み上げて


頬が熱くなって


なんだか くすぐったくて



「わ、私、明日も作ってくる!」



考えるより先に口が動いてた



先生は きょとんとして



「いいよ。そんな事してもらうわけに いかないから」



「でも、美味しかったって言った」



「いや、言ったけど……」



「自分で作ったお弁当の味に飽きたんでしょう?

だったら、しばらく私が作ってくる!」


だって、繋がりが なくなっちゃう。



一緒にお昼食べるの今日が最後になっちゃうよ



困ったように先生は笑って



「もう充分だよ。山本」



やんわり私の申し出を断って



「今日はプリンがあるんだ
食べるだろ?」



席を立ち 冷蔵庫に向かった



今日で おしまいなんだ



私は目の前の黒い天板をじっと見つめた