しばらく黒い海をただ黙って見つめていた
「………戻ろう」
先生の言葉にうなずいた
ふと見上げた澄んだ夜空に
白い光と赤い光が流れて行く
「せ、先生!先生!
UFO飛んでるっ!」
先生の腕をバシバシ叩き
夜空を指差した私を
先生は一瞬きょとんと見て
「…………ふっ、あはは
絆、本気で言ってる?」
大爆笑する先生の隣で
私は初UFOにまだドキドキしてた
「な、なんで笑うの?」
「あ~あ。残念。
あれは飛行機です」
「……………え?」
そ、そんなっ!
裏切られた気持ちで
夜空を飛ぶ光を見上げた
がっかりと恥ずかしさの間にいる私の肩にそっと手を置き
「戻ろう。
さすがに風邪ひいちゃうから」
先生は
穏やかな表情を浮かべ言って
私は先に歩きだした
先生のダウンコートの裾を掴み
車まで戻った



