夜に
ドライブなんて初体験だった
しかも隣には大好きな人
走る車の窓から見える
ゲーセンや大型スーパー
パチンコ店の光が
感動するくらい綺麗に見えた
しばらく国道を走ると
だんだん店も少なくなり
街灯に照らされたアスファルトの道だけが暗闇に伸びていく
ハンドルを握る先生は一言も話すこともなく
オーディオから流れる
FMラジオの聴いたことのない洋楽だけが
車内に響いて
私は少し不安で心細かった
海に
海に着いたら………
終着点に答えが待ってる
なんでかな?
どこにも着かなければいい
そう思った
このまま先生と
ずっとずっと
夜を さまよいたい
これこそ願ってはいけない願いだと わかってる
どこにも行けない。
たどり着けないことが
どんなことか私は知ってる
彼を そんな風にしたくなくて
今まで頑張ってきたのに
海になんか
終着点になんか
答えになんか
たどり着かなければいい
だけど、
車内に微かに香る潮の匂いが
答えはもうすぐそこだよと
私に教えていた



