Strawberry on the shortcakes




食後ふたりで後片付けをする



先生が食器を洗い、私が布巾で拭く



ふと先生が
思い出したように呟いた


「ああ、そうだ」


「なんですか?」


「ジャムカレーのあとはショートケーキの約束もしてたなぁ」


「ああ、そうでしたね……」


「よし。行こう」


「行こうって?」


「ケーキ買いに」


「今から?」


リビングの壁にかかった時計を見ると 8時10分を過ぎていた


「遅くなったら困るか?」


「い、いいえ」


「じゃあ決まり。隣町のケーキ屋、確か10時まで開いてるから」





先生は茶色のダウンコートを着て車と家の鍵を持った



私も慌てて白いコートを着て


玄関に向かった
先生のあとを追った



マンションのエントランスを出ると夜が目の前に広がり



白い息が闇に消えていくのを見つめながら


なんだか予想外な展開だなぁと思った



もう駐車場の方へ歩いていた先生がマンションの入り口で立ち止まる私を振り返り



「絆!早くおいで」と呼ぶ



「はぁーい!」



返事をして


先生に向かい


駆け出した私の足は絶対に


歩道から3cmは浮いていた