スプーンでジャムをすくい
鍋に入れようとした時
「待った!」
先生の言葉に
ピタッと宙で手を止め
「先生?」
先生は複雑な表情をして
「本当に入れるの?」
「はい」
「カレーにジャムを?」
「はい」
「やっぱり……」
ここまで来て躊躇する先生に
少し焦れる
「大丈夫ですよ。
きっと美味しいカレーが出来上がります」
ポイッと
鍋にジャムを投入した瞬間
「あぁっ!」
情けない声を先生が上げたから
おもしろくて
「もう少し入れよう♪」
ポイッポイッ
もう2さじ投入したところで
スプーンを掴んだ手が
先生に捕まり
ドキン
私の手首を掴んだまま
「もう勘弁してください」
ドキドキ ドキドキ
「し、仕方ないなぁ」
先生が手を放してからも
ずっと ずっと
手首には先生の大きな手の感触が消えなかった



