山本 絆が出て行ったドアを ただ茫然と見つめた
「違うよ。あの子は結じゃない」
「結じゃないんだよ」
「あの子を通して結を見る事は
許されない事だ」
わかってる
わかってるよ
でも 結
まるでキミが「ただいま」って帰ってきたみたいで
例え
あの子が結の生まれ変わりでも
「ねぇ、結
オレ もう45だよ?
あの子の親より年上だろ?
きっと」
あのなぁ 結
オレが そっちに逝くまで
待ってるとか 考えなかったのか?
「………まったく。
結らしいよ。
その独断なところも
思い立ったが吉日なところも」
あんまり結らしいから
………泣けてくるよ
結
オレは永遠に結の夫
絆はオレの生徒
「しかし、友達作りが苦手なところまで同じか……」
ホントに まったく もう
どこまでも愛しいキミなんだ
大丈夫
何度でもキミの全てを愛するよ
例え
もう 結ばれる事がなくても
山本 絆は 結じゃない
それでも やっぱり
結局はまたキミの姿が見られて嬉しいんだ オレ



