「ごちそうさまでした」
「はい」
お弁当箱と紙皿を片付けようとした先生に
「お弁当箱は私が洗って明日持って来ます」
「え?いいよ。そんなの」
「いえ、ケーキのお礼に明日 私 お弁当作って来ます」
「…………え?」
「だ、だから………先生……」
恥ずかしくて下を向いて訊いた
「明日もお昼
ここに来ていいですか?」
藤代先生が声をかけてくれて
一緒にお昼ごはんして
お話もして………………
すごく嬉しかった
ずっと寂しかったから
また、先生と話がしたい
「…じゃ、お願いします」
先生の言葉に
嬉しくて パッと顔を上げた
先生はすごく困った顔して
少し乱暴に私の頭をクシャクシャって撫でた
――――――――あ…なんだろ
すごく懐かしい感じする
先生の手
「ごめんな」
先生は ボソッと呟き
手を下ろした
「先生?」
「もう、戻りなさい
授業、始まるから」
先生が急に哀しそうな顔したから
初めて会った時の涙を思い出した
「………失礼します」
私は先生のお弁当箱を持って化学準備室を出た
胸がぐちゃぐちゃする
先生が哀しそうな顔をした
胸がぐちゃぐちゃ痛くなる



