「せっかくの後夜祭だよ。
こんなところに居ないで
………紗智はどうした?」
「内田くんがいるから
邪魔しちゃ………」
「内田?」
とたんに先生が
不機嫌な声を出したから
「1-Bの内田くん。
先生、知ってる?」
しばらく考えるような
間をあけて
「……ああ。わかった。
あれ?もしかして紗智
内田と付き合って………」
「多分。じゃなければ近々」
「ああ」って
先生は落胆の声を漏らしてから
「紗智は娘みたいなモノだから
……そっかぁ、内田かぁ
………そっか、そっかぁ…」
先生は紗智に彼氏が出来ること
よっぽどショックなんだな
……紗智が娘みたいかぁ
思わず苦笑いをした
「宇佐美は」
そう言いかけて躊躇する
だけど先生は訊いた
「宇佐美のことは
良かったのかい?」
先生も修ちゃんに彼女が出来たことを知ってるんだ
「………はい」
「宇佐美はキミのことが本当に好きなんだと思ってた
まさか、
こうも簡単に心変わり……」
「簡単じゃない!」
とっさに出た言葉は
キツい口調になって
「………簡単…じゃないです」と言い直した
叶わなかった修ちゃんの
恋の痛みが
私の胸にしっかり刻まれてる
まだ全然 乾かない
生々しい痛みが
ここにある――――――――



