メイド&執事カフェの当番を終えて、紗智と二人で校内をまわる
学校の廊下はクラスの展示を宣伝して歩く生徒や
他校の生徒で こんでいた
中庭に出て、ベンチに座り
さっき買ったたこ焼きをひざの上で広げて
猫舌の紗智はいつまでもたこ焼きを「ふーふー」冷ましてた
「そんなに熱くないよ」
1つ口に入れて教えてあげると
「あ、ホントだ」
紗智もやっとたこ焼きを頬ばる
食べながら花壇に立ってる
白い時計を見上げて
………もう少しで修ちゃんが体育館でライヴする時間だ…
「高野!」
隣のクラスの内田くんが紗智を呼びながら
こちらへ駆けてきた
内田くんと紗智って同じ中学出身だって言ってたなぁ
少し息を弾ませながら
紗智の隣に腰を下ろした
内田くんは
「もらい」って紗智のひざの上のトレイからたこ焼きを1つ指で摘まんだ
指についたソースを舌先で舐める内田くんを見た紗智は
少し口元が緩んでる………
と言うより、にやける顔を必死で堪えてるみたい
………そういうことか
「あ~!そうだっ!私、急ぎの用事があったんだ」
食べかけのたこ焼きを紗智に 食べてと押し付けて
「んじゃ、
内田くん後はよろしくっ!」
しゅたっ!と片手を上げて
私はベンチをあとにする
「え?ちょっと絆~!?」
背中に戸惑う紗智の声を聞いて
中庭を走り去った



