Strawberry on the shortcakes




私が 椅子に座ってサンドイッチと牛乳を出す



藤代先生はその隣でお弁当を出して



「……愛妻弁当ですか?」



そう訊くと



「いや、弁当男子」



「え?自分で作ったんですか?」



「意外とね、オレ家事が得意みたいだよ?」



へぇー
先生のお弁当を じっと見てしまう



卵焼きにアスパラのベーコン巻き、ポテトサラダ………



ちゃんとしたお弁当だ



「……先生の奥さんって幸せですね」



私がポツリと呟くと


藤代先生は


困ったような


嬉しいような


複雑な表情をしてた


あれ?



「先生、奥さんいないの?」



「いるよ。
この世でたった1人大切な奥さん」



―――――――ズキッ



「出た ノロケ話」



私が笑うと先生も笑った



なんだろ?
そっと胸を手で押さえる



胸がチクチクするのはどうしてかな?




「交換する?」


先生はお弁当を指差して訊いた



「え?」



「オレも自分が作ったの食べ飽きてるし、山本だって毎日サンドイッチだろ?」



―――――やっぱり 藤代先生



私が毎日 非常階段でお昼ごはん食べるの知ってるんだ