Strawberry on the shortcakes




初めて見た


先生の怒った…そんな怖い目



「身代わり………?
生まれ変わり?

バカなことを…哀しいことを

………言うんじゃない」



目を伏せ
先生は 言い聞かせるように



「……絆。

キミは絆だよ。

誰の代わりでもないし

誰も絆の代わりは出来ない

絆は絆

この世に世界にたった1人の
大切な存在なんだよ?」



   絆って


初めて私の名前を呼んでくれた



なのに どうしようもなく


胸が痛いよ………



「ごめん

ごめんな、絆。

身代わりなんて言わせたの
オレだよな

ごめん、ごめんな」


私は何度も首を横に振って
涙が止まらない



「ごめん………
ごめんなぁ………

そんなことを絆に言わせた

オレはオレが許せない……」




誰か


誰でも いい………


教えてほしいよ


どこに答えがあるの?



「先生…………
このままじゃ…………

時間が止まったままじゃない…

先生はいつもひとりじゃない…

こんなこと…
結は絶対に望んでない」



「キミに何がわかるの?

結はね、この腕

この腕の中で逝ったんだよ

その、結の…………

結の重みは一秒だって
この腕からは離れない」



潮がひいていくみたいに


先生と私の間には


距離が開いていくようだった


埋めることの出来ない距離


踏み込んだ先生の心の中


私だけが押し出され


私の気持ちは先生に届かない